北原白秋の尊敬すべき人柄に惚れ込むと、その書籍にまで愛着が出る。
白秋の単行本は、芸術的にも、造本的にも、しっかりしたツクリのものが多く、所持するだけでも心が豊かになる。
多分このブログでは、白秋の本が、何度が出てくるだろう。
まずは、復刻本としては異色な「柳河版」といわれる、九州の柳川、白秋の生家で売られているものである。
単なるコピー版と異なって、原本通りの活字を用いた凸版印刷であるらしく、くっきりと鮮明な印刷である。
昭和42年が初版で、その後もずっと版を重ね、発行年度によって外箱の体裁が変化したり、微妙に違うのも収集意欲をそそる。
奥付には柳川市だけでの発売と書かれているから、なおさらである。
原本はもちろん大変高価である。
だから、柳河版を手に入れれば、私にとっては充分満足できるのである。
凸版印刷特有の活字に深みがあり、単なる復刻版という以上に、この『柳河版』自体に、高い評価と価値を認めるものである。
ところが、幸か不幸か、この柳河版、どの年度の発行のものでも、古書価は意外なほどに安価である。
だから、各発行年度別に、すべて蒐集しても、大した金額にはならない。
なお、念押しすべきは、柳川版ではなく『柳河版』なのである。

