戦時中か敗戦直後に、父が購入した本。
昭和16年発行であるが、初版は大正14年。
小生は、戦後の昭和25年生まれ。
この、父の本があったお陰で、大学時代の思い悩む時期に、かなり支えられた。
題名のごとく「感傷」多き時代。
なかでも「憂鬱の浄化」は、何度も繰り返し読んだ。
著者の谷川徹三氏は、戦前の岩波文化を支えた人の一人、オールドリベラリスト。
戦後の氏の考えには、同調できないが、戦前の岩波文化を支えた人々は、津田左右吉や和辻哲郎など、一本筋の通った、古武士の風格があった。
谷川徹三氏の本は、戦前出版の著作に限り、好きなものが多い。

